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初めて見たときからずっと思っていた。

「クッションゼリーって、美味しそうね」

 エミの一言にギンタとバッボが止まる。

いや、彼らだけではない。

その言葉を聞いていたメルのメンバー全員が固まっていた。

しかしエミはそんな雰囲気を『害が無いもの』と認めたのか、気にせずに笑っている。

ニコニコと無邪気に笑っているエミにギンタがようやく声をかけた。

「そ、そうか…?」

「うん」

 即答。

ギンタ絶句。

「だって色からしてオレンジ味のゼリーみたいなんだもん。凄くプルプルしてるし形も本物のゼリーの形でしょう。

初めて見たときは本当にビックリしちゃったけど、本当に見れば見るほどオレンジゼリーに思えてきて…」

 絶句しているギンタをよそにエミは両頬に手を当ててクッションゼリーを思い出しているのか、とても楽しそうにふにゃんとした笑みを浮かべている。

「私、一度で良いからあんなに大きなゼリー食べて見たいなって思ってたから、余計に美味しそうだなって思ったの」

 そこでようやく大切なことを思い出したのか、エミは慌てて我を取り戻すとバッボのほうを向いた。

「あ、でもあれバッボなんだよね!? 大丈夫だよバッボ! 私ゼリー大好きだけどバッボは食べないからね!」

 グッと両手の拳を握ってバッポに向かって言うエミに。

「ってかエミちゃん、バッボはARMだから何しても食べられへんで」

 ナナシのツッコミが入るが慌てているエミには聞こえていない。

エミはバッボの目を見たまま彼の返事を待っている。

「…ああ、解ってる」

 しばしの沈黙の後、搾り出すように答えたバッボに安心したのかエミは良かったと微笑んだ。

「あー、でも本当に美味しそうだよね。クッションゼリー…」

 本体がバッボだという事が解っていても、エミのクッションゼリーに関する認識は変わらない様だ。

きっとギンタがクッションゼリーを出すたびに美味しそうだ、と思われ続けるのだろうことを想像して。

うっとりと頬を緩めているエミを見てギンタとバッボ、メルのメンバーは乾いた笑みを浮かべるしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

Fin

 


あとがき

拍手ありがとうございました!

MARでエミ&メルメンバー(というよりもクッションゼリー)でした!

エミの言葉は私の言葉です。

アニメルでクッションゼリー見たときから、オレンジゼリーみたいで美味そうとしか考えられません(笑)

サガフロ1でタンザー内にある活力のルーンを守っている無機質系モンスターにも同等の感想を持ってます。(サガネタ)

 

 

2006.2.12

 

 

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