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空は綺麗な朱と藍が混ざり合っている。

部活を終えて各々が帰っていく中、梓と不破が肩を並べて歩いていた。

「すまなかったな佐崎。練習に付き合わせてしまって」

 不破のすまなそうな言葉に、梓はかぶりを振る。

「別に謝るようなことでもないって。 こっちも勉強になったし」

 にこっと笑う梓を見て不破は小さくホッと息を吐いた。

「そう言ってもらえると助かる。今日に限って風祭に用事があるとは思わなかったんだ」

「将君もサッカーばかりはしてられないってことよね。凄く慌ててたけど、大した事じゃなければ良いわね」

「ああ」

 会話が途切れ、二人は口を開かぬまま歩き続ける。

自然な沈黙に包まれてしばらく歩いていたが、ふと梓がポケットに手を入れる。

「あ」

「どうした?」

 梓の小さな声は沈黙の中では大きく聞こえたらしい不破が梓の方を向くと、彼女は笑っていた。

「これ、あげる」

 ポン、と小さく投げられたものを思わずキャッチすると、手の中には薄い包み紙に包まれたモノが。

「キャラメルか?」

「そうみたい。昨日持って来てたヤツの残りみたいね」

 融けて無くてよかったわ、そう言いながら梓はキャラメルを口の中に入れる。

梓が口の中に入ったキャラメルをもごもごさせているのを見て、不破も包み紙を開きキャラメルを口の中に入れる。

「甘いな」

「キャラメルだからね。部活で体動かしてたし、ちょうど良いじゃない」

「そうだな」

 それだけを喋ってから、再び二人の間に沈黙が流れる。

その沈黙をいつのもの事だと別に気にすることも無く、二人は口にキャラメルを含みながら、帰路へと付いて行った。

 

 

 

Fin

 


 

あとがき

拍手ありがとうございました。

ホイッスル!で梓&不破でした。

 

2006.2.21


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