電話越しの貴方は…
電話越しの君
「で、そのときの切原君の言葉スッゴク頭に来たんです!」
「ぬるい練習?! ふざけないで!! 手塚部長や橘さんのこと何にも解ってないクセにそんなこと言われたくないって!」
「アンタなんかに、手塚部長の努力や苦しみなんて解らないくせに!!」
「悔しかった! ホントにホントに悔しかった!!」
「なんにも…なんにも知らないくせに!!!」
本当に悔しかった。
雨で一週間後に延期になった立海大との試合。
雨の試合会場で切原に言われた、手塚部長を侮辱する言葉。
「怪我なんかするのは、ぬるい練習をしてるからだろ?」
殴ってやりたかった。
手塚部長の肘のこと、肩のこと。
橘さんの靱帯損傷。
ぬるい練習なんかしてないわ。
むしろその逆よ。
たくさん誰よりも練習して努力してきたの。
それなのに!!
何も知らないヤツになんて言われたくなかった!!!
涙が出るくらいに悔しかった。
その思いを、どうしても彼に伝えたかった。
悔しかったと、悲しかったと。
怒りに震える私の耳に彼がそっと声をかけた。
『で、お前は俺に戻って来いと…そう言いたいのか?』
どこにいても冷静な貴方の声。
力強くて、淀むことのない声。
ああ、彼は何処にいても彼なんだ。
「いいえ。部長はきちんと怪我を治してください。怪我が完全に治ってない手塚部長が帰って来たりしたら、私が皆に怒られちゃいますよ」
「それに、私も嬉しくありません」
「ただ…この気持ちを何処にぶつけて良いか解らなかったから。…ごめんなさい、八つ当たりです」
「私たちは絶対に勝ってみせます」
「たとえ、それがどんな相手だろうと」
「部長が帰ってきた時に、全国への切符を絶対に手渡します」
「だから部長…」
「怪我、完璧に治してくださいね」
『…………ああ、約束する。だが立海大は強敵な事には解りはない。油断せずに行ってくれ』
「はい…」
電話越しの貴方の声は、変わることがなく。
前よりももっと強くなっているみたい。
貴方の声を聞いて落ち着きました。
貴方の声を聞いて自信を取り戻してきました。
貴方はきっと誰よりも先に行くんでしょうね。
だったら、私たちもガタガタ言っている暇はない。
強くならなくちゃ。
誰にも負けない強さを持って。
そして証明してやる。
勝つのは常に前へと向かう者だけだと。
絶対に、負けないんだから。
「手塚部長…」
『なんだ?』
「ありがとうございました」
『いや…俺も久々に声が聞けて嬉しかった。早く怪我を治して電話越しではないお前の声を聞きたいものだ』
「……そうですね」
電話越しの君の声はとても甘く聞こえた。
よしっ!
頑張るぞ!!!
Fin
あとがき
10/15のアニプリ、極悪化した切原の手塚&タッチー侮辱発言。
これに管理人激怒。
で、ヒロインが手塚に愚痴の電話を入れるというのを思いついて。
しかも現在、手塚遠出中なので電話使用可。
フッ、切原今回ばかりは例を言ってやるぜ。
でも勝つのは青学だから。
覚悟しとけよ!!立海大!!!
勢いで書いたため文章がいつも以上に意味不明ですが、許してください<(_ _)>
しかも今回名前変換なし。
…優姫でやりたかったんだけどでもこれ夢お題だから…(本音/爆)
2003.10.18