夢だと、信じたかった。
すぐに目が覚めると思ってた。
でも……
どうして……
どうして……
覚めてくれナイの…
現実の中の夢
人はその生に満足だったとき初めて穏やかな顔で死ぬという。
あいつの顔はまさに〈それ〉だった。
背中に沢山の刃をたてながら、それでも安心しろというように微笑んだ。
誰よりも他人の幸せを望んでいた、あいつだから…
でもな…
誰のおかげで、幸せになったって言うんだ?
…お前なのに…
お前がいて微笑んでくれたから、幸せになれたってのに…
誰が欠けても、駄目なんだ。
お前の微笑みがなければ、俺たちは駄目になる。
お前と、あいつの微笑んでいるところを見るのが一番幸せだったのに…
お前は、満足そうな顔をするが、あいつの顔から笑みが消えたらどうするんだ?
…黙ってないで、何か…言ってくれ…
頼むから…
咄嗟の事で何が起こってのか分からなかった。
あの子達を守ろうと狂気に向かって走り出して…
そして、あの子達をかばった…
自分を犠牲にして。
馬鹿ですよ、貴女は…
あんなに綺麗に微笑んでも、それっきりじゃ意味ないじゃないですか?
貴女にはあの子達の前で、いつでも笑っていてもらわなくちゃいけないのに。
こうなることは、分かっていた…
でも、貴女には最後まで生きてて、ほしかった。
この子達を、守りながら、生きてほしかった。
貴女が、先にイッテしまったら、意味がないじゃないですか?
お願いです…目を開けてください…
頼みますから…
いつも笑ってた顔もそれはそれは綺麗で可愛かった。
でもな、今まで見たことないような笑顔を今浮かべてんじゃねーよ。
背中に武器しょったままでそんなに笑ってんじゃねえよ。
もう一度見たくなったらどうすんだよ。
お前が先にイクなよ…
チビたちを守ろうとして、俺が止めるのを聞かないでいきやがって。
いつもおっとりとしているくせに、他人のことになると素早くなるんだもんな…
お前は、よ…
お前がいかなくったって俺が行ってやった。
お前の代わりに背中に鋭利を食いませたのに…
チビどもが笑わなくなったらどうしてくれるよ?
おい…なんか言え…そんな笑みを浮かべてないで…
頼むよ…
何でお前がいるんだよ?
何で俺たちの代わりに攻撃を喰らってんだよ。
俺は不浄なものなんだぞ。
そんな奴、守ってもいい事なんてないのに。
大好きだって言ってくれた。
いつもみたいに…
でも、似合わない、笑顔を浮かべてんな。
さよならって言ってる、みたいだぞ。
……俺は認めない…
お前が、いなくなるなんて…
これからも笑って、俺の話を聞いてくれよ。
俺の心の声を、聞いてよ。
お願いだから…
先に、いかないで…
大好きと言ってくれた。
笑ってくれた。
でも、なんか、変だ。
どうして、冷たくなっていくの?
どうして、目の輝くがなくなっていくの?
俺の大好きな、空色の瞳。
灰色に、変わっていく…
やだ!! なくならないで!!
俺、もう悪戯しないから!! わがまま言わないから!!
だからだから!!
消えないで!! いつもみたいに笑って!!
そんなさよならって言うみたいに笑わないで!!
そんなに綺麗に笑わないで!!
いつもみたいにふわって笑って!!
お願い!! お願い!! お願い!! お願い!!
…お願いだから…
ねぇ……
目を、開けて…
後悔なんてしてないわ。
貴方たちを守れたんですもの。
でも………
…ごめんなさい…約束を守れなくて…
ずっと一緒にいるって約束したのにね…
うそつきね…私は…
…泣かないで…私は幸せだったのよ…
貴方たちに出会えて、私は私になったの。
だからせめて、私らしく私の意志で…
貴方たちを守らせて…
そして飛び切りの笑顔で言わして…
ダイスキヨ…
いつか会える…そんな気がしてならない…
それがいつだか、分からない。
でも、この現実が夢でなくなるころに
きっと……
きっと……
あとがき
なぜこんなくらいものを…
なんか突発的に浮かんだな。
なんでだろ?
外伝が核心に近付いてきたから?
…痛い?
なんかヘボ駄文の総称だな。
でも、書いてみたかったかも。
あたしの中で、1番最初になくなってしまうのが自分のオリキャラってのもな〜〜
この話の詳しい話もそのうち書くかも…
かければ…
誰が誰だか、分かりますか?
分かったら教えてくれると嬉しいかも…
2001.6.3