真っ直ぐな瞳
真っ直ぐな貴方の眼。
綺麗な、綺麗なブラウンの瞳はいつだって、前しか向いてなかった。
…ううん、前しか向いてないわけじゃない。
いつも周りの友達や、仲間を見て、周りの大切な人を見詰めてから。
前を向いて歩いていく。
それが、自分の守るべき者だと確認して。
とても綺麗な、真っ直ぐな瞳。
大切な人を大切にしたいと言う、心の現れ。
私は、その瞳が大好き。
…でも。
「ん? どうした?」
「…キライよ」
「えっ?」
「イッチーの目、大好きだけど大嫌い」
だって、その瞳は貴方を見ていない。
どんなにボロボロになっても、どんなに心に傷を負っても。
貴方は自分自身をその眼に映さない。
いつも、周りばっかり。
その意思の強い瞳が私はとても好き。
だけど、それと同じくらい嫌い。
だってその瞳は、私の一番守りたいモノを、貴方自身が蔑(ないがし)ろにする瞳だから。
でもそれが、黒崎 一護と言う人だって事も、きちんと解ってる。
だから私は、どんなに好きで嫌いでも、守りきっていく。
貴方の、その真っ直ぐな瞳を。
Fin
あとがき
拍手ありがとうございました!
黒崎一護的5のお題、1《真っ直ぐな瞳》でした。
維の独白と言う形で進めてしまいましたが…これって良いのだろうか(ドキドキ)
一護はいつでも真っ直ぐに前を向いて、誰かを守るために戦っています。
その真っ直ぐさはとても綺麗で強いものですが…。
反面、それは自分をとても追い込み、傷付けている様にも思えます。
周りばっかりに目が行っているので、自分には目が行っていない。
鰤のキャラは皆自分を蔑ろにしちゃう子が多いんでしょうがないと言えばしょうがないのでしょうが…ι
でも維には、それが我慢出来ないのです。
2007.5.14